イロハニコットの譜面について

イロハニコットの譜面は直感的に弾く場所が分かるようになっています。左右4つずつの音の並びなので 4+4配列(しとしはいれつ)と名付けました。


ちなみに僕は「佐藤 四十四(しとし)」と名乗っていますが、この配列をアピールしたくて付けた作家名です。実際はアラフィフおっさんです。<(_ _)>

4+4配列(しとしはいれつ)って何?

その名の通りで、4音+4音、1オクターブ・8音だけの上図のような鍵盤配列です。左右交互に弾くと「ドレミファソラシド」となります。いわゆるハ長調の音しか無いので、音が足りなくて弾けない曲もたくさんあります。必然的にレパートリーは童謡とかシンプルな曲になります。

ですが、こう考えてみてください。

文学に例えるなら、これは俳句や川柳のようなものです。

俳句や川柳は言葉数が極端に制限されていますが、それでも十分に表現ツールとしての魅力があります。同じように音楽も、音数だけで良し悪しが決まるわけではありません。音が少ないなりの楽しみ方を考えればいいんです。

4+4配列の譜面

4+4配列の譜面は、いわゆる「音符 = ♪」ではなく、何となくテトリスや音ゲーの画面ような、シンプルで直感的な譜面になります。タテ向きに動くオルゴールの楽譜に似ているかもしれません。

ブルー枠が左手・ピンク枠が右手です。4つ・4つのマス目になっているので、弾く場所はすぐわかると思います。

黒色が主メロディーで、薄紫色が装飾音なので、まずは黒色だけを追って弾いてみてください。

休符はあえて表記していません。鳴らしっぱなしでも良いですし、慣れてくれば音を止める事にも気を配ってみてください。演奏にメリハリが出ます。

例えばこれは「鳩」の譜面ですが、元々の単音メロディーだけではなく、適当に装飾音を加えています。決してこの通りに弾けという事ではなく、お好みでいろんな味付けに変えてもらえれば良いと思います。

このような、たった8音の中での「アレンジ遊び」が4+4配列の醍醐味かもしれません。音数の制限を受け入れる代わりに、シンプルで短めな、まさに「俳句的な音楽の楽しみ方」を獲得した鍵盤配列なんです。

ちなみに4+4配列の譜面は、普通の大学ノートに線を引いて書けます。また、清書用のテンプレート画像も配布しています。くわしくは「4+4の譜面テンプレート」のページを見てください。

ゲームのように “ブラインドタッチ”

それと、4+4配列にはもう一つ利点があります。4+4配列の楽器は手元をほとんど見ずに弾けます。なんたって、片手に4つしか鍵盤がありませんから。

例えばファミコン等をする時に、手元のコントローラーはほとんど見ないですよね? それとよく似ていて、十字キー(左手4つ)と4ボタン(右手4つ)を操作している感覚です。ですから勘の良い人なら、譜面を目で追いながら初見で曲を弾けると思います。

4+4配列のトイ楽器
イロハニコット、サカナガタナ、そしてプレステのコントローラーw

キーを変更しても譜面は同じ

さらにさらにもう一つ利点があって、4+4配列の譜面は「音の高さ」を表示しているのではなくて「弾く場所」を表示しています。

もし曲のキーを変えたい時は本体のチューニング自体を変えればいいので、譜面や指使いは同じままです。

その例として、キーがCとFのイロハニコットの弾き比べ動画を作ってあります。チューニングが違うだけで、全く同じ譜面を見ながら曲を弾いています。