取扱説明書の内容と重複しますが、多分初心者の方が一番つまづくのがチューニングだと思うので、くどいぐらいに解説しておきます。
チューナーは必需品
チューナーの入手
イロハニコットのチューニングには、やはりチューナーが必要です。スマホをお持ちなら「楽器チューナー」で検索して頂ければ、無料で使えるチューナーアプリが沢山見つかります。ほぼどれでも使えます。
僕はしょっちゅう使うので、市販の楽器用チューナーをいくつか持っています。
基準音設定のお薦めは A=442Hz
これは音階全体の中央辺りにあるラの音(A-4)の周波数を決める設定です。この数値を元にして音階全体の各音の周波数が計算され割り当てられます。チューナーには必ずこの設定があり、キャリブレーション(CALIB)などと書いてあります。
一応の世界基準は 440Hz らしいんですが、Y社の鉄琴等は 442Hz で作られているみたいです。この数値に特にこだわりがない(何のこっちゃ分からない)場合は 442Hz に設定しておくのが無難です、という意味でここではお薦めしています。
イロハニコットのパーツ構成
この図のように、イロハニコットの鍵盤パーツはプラス・ドライバーでネジ4本を回せば外せるようになっています。本体側にナットが埋め込まれていて、ネジ(ボルト)を何度も締めたり緩めたりしても大丈夫な構造です。
締付金具には3つ穴が開いていますが(写真右側)、真ん中はダミーで、両サイドの穴にネジを通します。
鍵盤プレートは、左側が「C,E,G,B」右側が「D,F,A,C」と刻印されたものを使います。
「仮止め状態」でポジション調整
「仮止め状態」とは、ネジを”軽めに”締めた状態の事です。一応音は鳴らせて、なおかつ鍵盤プレートは指でも動かせるぐらいの状態です。
図①のように、鍵盤プレートの上と下の端を両方持ち上げるとスムーズに動かせます。
全くゼロからパーツを取り付ける場合は、まずこの仮止め状態で8本の鍵盤プレートをセットしてください。手順としては、プレートを2本挿して間のネジを軽く締める・・・これを4回繰り返すのがやり易いと思います。
そして図②のように、締付け金具と鍵盤プレートの間にわずかな隙間が出来るように位置調整してもらえるとベストです。どちらかに接触していると音がビビってしまう可能性があります。
「仮止め状態」で大まかにチューニング
先程のポジション調整の段階で大まかにチューニングまでしてしまうと良いんですが、ゼロから鍵盤プレートを取り付けた場合、目安の音が無くて困ると思います。
その為に、目安になる音を鳴らしているムービーを作っておきました。一番標準的な key=C(ハ長調)の各音を鳴らしています。
とにかくこの音と同じになるように大まかに鍵盤プレートを動かしておきます。
ネジをきつく締めて本格チューニング
仮止め状態で大体の音合わせが出来たら、4つのネジをきつく締めて本格的にチューニングします。この時にはご自身のチューナーで音を確認してください。
図のように、ミニハンマーで鍵盤プレートを叩いて音を合わせます。おそらく完璧に合わせるのは無理なので、数セントぐらいのズレはOKだと思います。
key=C(ハ長調)以外への移調
例えばカラオケで歌いたい曲のキーを上げたり下げたりしますよね? 流石にあんなに便利ではないですが、イロハニコットも、個々の鍵盤プレートのチューニングを変えてしまえば、キーの変更は可能です。
この表の一番下が標準的なハ長調のイロハニコットの音の並びです。そこから8つの鍵盤プレートの下側をハンマーでコンコン叩いていけば、どんどん調律が上がっていきます。
何やら難しそうな表に見えますが、実は各音が下から半音ずつ上がっているだけです。
調律を大きく変更する場合は、金具のネジを一旦緩めて「仮止め状態」にすると簡単に音程を変更出来ます。そして再度ネジを締めた後にハンマーで微調整してください。
代表的なキーの音出し動画
先程、key=C(ハ長調)の音出し動画を貼りましたが、その他に「key=D」「key=E」「key=F」「key=G」の動画も作ってあります。
Youtubeリンクを貼っておきますので、もしキーを変更したい場合は参考にしてください。
Gより上のキーへの移調も可能ですが、かなりプレートが短くなるので、あまり響きが良くないかもしれません。